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種類: Journal Article
タイトル: 死産を体験した母親を支えるケア - セルフヘルプミーティイングがもたらす人間的成長 -
タイトル別表記: Care for Mothers of Stillborn Babies
Self-help Meetings to Encourage Their Psychological Growth.
著者: 宮本, なぎさ
太田, 尚子
堀内, 成子
キーワード: 死産
セルフヘルプミーティング
グリーフワーク
掲載誌: 聖路加看護学会誌
巻: 9
号: 1
開始ページ: 45
終了ページ: 54
発行年月日: 2005年6月20日
ISSN: 13441922
抄録: 本研究は,死産で子どもを亡くした母親のセルフヘルプミーティングの企画から実施に至るプロセスの軌 跡と,活動を通じて得た体験者の思いを記述することを目的に行った。 セルフヘルプミーティングは,看護/助産専門家と流産・死産・新生児死などで,子どもを亡くした家族 の心の支援を目的として活動している自助グループ「お空の天使パパ&ママの会(以下WAISと略す)関 東支部」との協働で行った。 2004年6月より企画準備を進め, 9月から12月までの4回の実施により合計12名の参加者があり,毎 回予定時間を超過し4時間にわたり子どもに対する気持ちを心置きなく話し合った。 さらにWAISの体験者スタッフのセルフヘルプミーティングを通じて得た思いを分析し,次の7カテゴ リーの内容が抽出された。①子どもについての辛い思い,②夫についての思い,③他の家族・周囲について の思い,④セルフヘルプ活動についての思い,⑤死産後の生活についての思い,⑥ファシリテ-クーの役割 への思い,⑦入院した病院や医療への思いである。 セルフヘルプミーティングを行う意味は,ほかの場所では語れない子どもについての思いや,悲しみや孤 独な思いについて共に泣きながら話し共に笑う豊かな時間を得ることであり,それにより死産を経験した母 親の悲しみは癒されていった。さらに,母親は継続的な参加を通じて,エンパワーメントされ,グループの なかで同じ辛い経験をしている仲間の役に立つことを実感し,自尊心が高められ人間的成長を経験していた。 以上のことから,セルフヘルプミーティングは,死産を経験した母親を支援するひとつの資源として有用 であることがわかった。セルフヘルプミーティングの企画・実施に看護/助産専門家がかかわることは,周 産期におけるグリーフケアを改善し再考することに貢献していた。 セルフヘルプミーティング成功の鍵は,体験者であるエンパワーメントされた市民と医療者とがよき協働 者として活動することにある。
抄録別表記: The purpose of this study was to describe the process of self-help meetings for mothers of stillborn babies. In addition, the feelings that were expressed during the self-help meetings were categorized. Nursing professionals collaborated with mothers who experienced a stillborn baby and created a self-help group named WAIS (With the Angles in the Sky). The purpose of the group was to foster psychological support for mothers who shared the same experiences. Preparations began in June 2004 and the group was started in September 2004. The group met, once a month for three months, through December. Twelve mothers attended the meetings. Every self-help meeting lasted 4· hours. The mothers would talk; they shared their story with tears in their eyes and spoke openly and freely from their heart about their lost babies. The WAIS staff had over 1 year of experience with other similar self-help meetings and recognized the feelings expressed in the self-help group. Seven categories of meanings were identified: ① The bitter experience of having a stillborn baby, ② Their feelings for their husband, ③ Their feelings for their family and others, ④ The experience of the self-help activities, ⑤ Daily living after loss of the baby, ⑥ Their feelings for a role of facilitator, ⑦ Expectations for the hospital and nursing staff. For these mothers the self-help meetings meant a safe place in which they could open their hearts to feelings of grief, sorrow and isolation. The members experienced the same kind of loss and grief so they shared the same feelings and as a result they were able to heal themselves and they changed their lives. They wanted to make use of their experience for the benefit of others. This in turn led to increased self-esteem and encouraged their psychological growth. The successful key point is that the nursing professional has to be a good collaborator with people who are empowered by self-help meetings.
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権利情報: このPDFファイルは国立情報学研究所で電子化されたものです。
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出現コレクション:09巻1号

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