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種類: Thesis or Dissertation
タイトル: 出産方針における妊産婦の自己決定と助産婦援助との関係性の分析
著者: 有森, 直子
著者名ヨミ: アリモリ, ナオコ
キーワード: 出産
自己決定
助産婦
preference for decision-making during the childbirth
decisions mede during the childbirth experience
調査法・尺度: Rosenberg self esteem scale
発行年月日: 1996年3月
抄録:  現在、出産に関する選択肢は、その場所をみても先端医療を備えた大学病院から自宅まで、多様化してきている。しかし、妊産婦は、どれくらい出産方針についての選択肢を検討し、それを実施・評価する力があるのかということは、明らかにされていない。また、助産婦の援助との関係も明確にされていない。したがって、助産婦が妊産婦の自己決定過程に関わる援助の研究は、今後必須な領域と考える。そこで、本研究においては、妊産婦の出産方針の関する自己決定と、助産婦の援助との関係を明らかにすることを目的とした。  病産院、助産所に通院している妊産婦419名を対象に、産前・産後の2回調査を行った。質問紙法により、①出産方針についての自己決定(産前・産後)、②助産婦の援助(助産婦への自己開示度等)、③出産の評価について測定した。その結果、以下のことが明らかとなった。 1.出産方針は因子分析の結果、3因子が抽出された。第Ⅰ因子「専門家に判断を必要と認める医療行為」、第Ⅱ因子「専門家の助言を必要と認める行為」、第Ⅲ因子「正しい知識をもつ対処できる行為」である。  産後には、出産方針の第Ⅰ因子「専門家の判断を必要と認める医療行為」は、「他社に委ねる」を選んだ人が高かった。これに対して、第Ⅱ因子「専門家の助言を必要と認める行為」と、第Ⅲ因子「正しい知識をもつと対処できる行為」は「自己決定」を選択した人の比率が高かった。  一方、産後には、第Ⅰ因子と第Ⅱ因子は「選択の余地がなかった」とする人が、「自己決定」「他者に委ねる」より比率が高かった。これに比べて、第Ⅲ因子は「自己決定」の比率が高かった。 2.産前・産後の意思決定の組み合わせから、『自己決定のを通した』グループ、『自己決定の機会を得た』グループ、『不本意な意思決定をした』グループ、『自己決定しなかった』グループに分かれた。  これらのグループと「出産方針」の3因子との間には、有意な関係が認められた(X2=328.5, p<.001)。 3.「自己決定能力」と「助産婦の援助」とは、有意な関係と関連が認められた。  すなわち、自己開示度(r=.40, p<.001)とは正の相関関係が認められた。また、妊娠中の話し合いの時間(F=10.5, p<.001)、受け持ちの特定化(F=30.2, p<.001)、陣痛室の面識に程度(F=33.1, p<.001)、分娩室の面識の程度(F=29.0, p<.001)については、助産婦の援助が高いほど自己決定能力の得点は高くなっていた。 4.「自己決定能力」と「出産の評価」とは、有意な正の相関関係が認められた。すなわち、援助者への評価(r=.45, p<.001)、他者との比較(r=.40, p<.001)、コントロール感(r=.37, p<.001)、満足度(r=.17, p<.01)であった。 5.自己決定能力を基準変数とした重回帰分析では、「施設」(β=.53)、「出産への関心度」(β=.13)、「援助者への評価」(β=.12)、「知識」(β=.08)が説明変数として抽出された(R=.66, R2=.43, F=108.44, p<.001)。助産所を出産施設とする人の方が、自己決定能力が高いことが明らかとなった。
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公表先: 有森直子. 出産に関する妊産婦の自己決定. 日本看護科学会誌. 19(2):33-41.(1999)
注記: 聖路加看護大学大学院看護学研究科修士論文
リンクURL: http://hdl.handle.net/10285/1164
出現コレクション:2-1-c:修士論文(要旨、引用・参考文献あり)

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