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Please use this identifier to cite or link to this item: http://hdl.handle.net/10285/1124

NII Resource type: Thesis or Dissertation
Title: 政策決定プロセスに影響を及ぼす看護職のパワーに関する考察:第4次医療法改正における看護職員人員配置基準の改正を通して
Other Titles: An Influence of Professional Nurses' Power on the Policy Decision-Making Process.
Authors: 高井, 今日子
Author-transcription: タカイ, キョウコ
Advisor: 井部, 俊子
Keywords: 看護政策
医療政策
第4次医療法改正
医療審議会
(看護職の)パワー
看護職員人員配置
政策決定プロセス
政策
(サバラィア)唱道連携モデル
自由民主党
Issue Date: Mar-2004
Abstract:  日本の社会は本格的な少子高齢化社会をむかえた一方で国民の医療に対するニーズは高度化・多様化している。また。以前のような成長が望めなくなった経済基調の変化の影響による保険収入の伸び悩みは皆保険制度をとる日本の国民医療費の維持を難しくしている。このような社会背景から医療制度の改革が急務とされるなか、我々看護専門職が患者の命や人権を守るための責務を十分に発揮するために自ら環境を整えるためには積極的に政策にかかわっていくことが必要である。そこで本研究は看護職が社会の役割期待にこたえるパワーを持つことを検討するにあたって、政策決定プロセスの経緯を検証・分析することで今後の看護界における政策に必要なパワーの獲得・形成について研究を行った。ケーススタディー法を用いて第4次医療法改正で改革が行われた一般病床看護職員人員配置基準の政策決定プロセス、またその場と参画者を明らかにすること、またSabatierの唱道連携(advocacy coalition)モデルの修正版を利用し、参画者同士の相互関係などから政策決定プロセスに影響を及ぼした看護職のパワーについて明らかにすることも目的として研究を行った。  研究方法は、まず医療審議会議事録や国会議事録、専門誌等の文書記録からデータを収集し、この政策決定プロセスに参画した看護職(医療審議会委員、厚生省看護課長、日本看護協会政策企画室長、看護職議員)4名、非看護職(医療審議会委員、看護協会職員、厚生省健康政策局長および総務課長)4名へのインタビューよりデータ収集を行った。  研究の結果、第4次医療法改正における一般病床看護職員人員配置基準の政策決定プロセスが明らかになった。1996(平成8)年の医療制度抜本改革の提示から、厚生省は政策案作成のための三つの検討会立ち上げた。その後医療審議会が招集され、検討会からの報告書を参考に第4次医療法改正の検討がはじめられた。中でも病床区分の附帯事項である看護職員の人員配置に関しては、現実可能な事務局案「2.5」、夜間の看護の充実を訴える看護職委員の「1.5」、中小病院保護のための日本医師会を中心とした医師系の「現状維持」といった三つの政策案が出された中、人員配置の引き上げが「正論」といった傾向が強い中、1998(平成10)年7月に具体的な数字の提示されない中間報告が発表された。その後審議が開催され、審議会内での同意が得られないことを理由に事務局は「2.5」を「3」に後退させた、その後も激しい議論が続いたが、2000(平成12)年には与党自民党の医療問題基本調査会・社会部会合同部会に討議が移された。参画者は変わったものの看護職と医師系議員のパワーゲームは審議会のそれと変わらない様相で激しい攻防が繰り広げられた。この騒乱を落ち着けたのは、看護職衆議院議員が社会部会長・政務調査会副会長そして日本看護協会及び日本看護連盟役員と共に、当時の政務調査会長亀井静香の下を訪れ、このままでは「日本の看護はない」と激白した活躍によるものであった。こうして「3:1」が死守され、第150回臨時国会において健康保険法改正案と共に第4次医療法改正は成立した。  以上の結果をもとに、Sabatierの唱道連携(advocacy coalition)修正モデルを用い、看護職が政策決定に及ぼすパワーについて分析した。看護職員人員配置基準推進の看護職のグループと現状維持の日本医師会系のグループは医療審議会を中心に、政府機構のサブシステムとして政策案を検討した。外的システム事象、つまり医療政策の特性としての日本医師会と厚生省の攻防の中に看護課長や看護職審議会委員、看護職国会議員の参画は、政策決定に影響を及ぼすことは看護界のパワーとなった。しかし、その反面、多くの看護に関する政策に対応するがゆえにこの政策過程には十分パワーをさけなかった日本看護協会やその他提示した情報の不明確さなど看護職の戦略不足が明らかになった。また、看護職中心の促進派はマスコミと連携し更なる改善を思考していたが、社会を動かし世論形成がなされるほどの「うねり」をおこすパワーを看護界にはなかった。  今後、この研究を通して明らかになった看護職の持つパワーをさらに強化し、また不足しているパワーを補うことによって看護職が専門職として政策決定過程に参画し、貢献できると考える。パワーの強化という観点からは、看護の味方になる議員を増やすためのネットワークを構築し、一般の国民を参加させることで今回の事例で活用できなかった国民との理解を得た政策提案が可能になると考える。また、今後、政策分析を継続して行い、知識を蓄積し、看護職のさらなる政策決定への有効な参画が望まれる。また、このような政策活動に日本看護協会の役割は重要と考える。
Description: 聖路加看護大学大学院看護学研究科修士論文
URI: http://hdl.handle.net/10285/1124
Appears in Collections:2-1-c:修士論文(要旨、引用・参考文献あり)

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