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Please use this identifier to cite or link to this item: http://hdl.handle.net/10285/1098

NII Resource type: Thesis or Dissertation
Title: 未熟児に対するTOUCHINGにみる看護の質的評価研究
Other Titles: Evaluation Research of the Quality of Nursing
Authors: 土取, 洋子
Author-transcription: ツチトリ, ヨウコ
Keywords: attachment
touching
neonatal intensive care unit
a premature infant
maternal touch
development
interaction
observation
quasi-experiment
An investigating method or the measure : neonatal behavioral assessment scale (NBAS)
personal orientation inventory (POI)
Gesellの成長発達評価 (成長傾向表)
Issue Date: 1989
Abstract:  本研究は、一貫したTOUCHINGを継続して実施することが未熟児の成長・発達を促進し、TOUCHINGをしている看護婦(士)が児の成長・発達のきざしを母親に伝えることによって母親の自己実現を助長し得るかという問題について行なった。  研究の実施施設は、産科が併設されていない小児専門病院の未熟児室であった。  研究対象は50例(実験群24例, コントロール群26例)で、在体週数24.6w-38.9w、平均(±SD)31.7w±3.7w、出生時体重690g-2450g、平均(±SD)1595.8g±447.2gの低出生体重児であった。  研究方法は、準実験的デザインによって行なわれ、ブロック因子を設定し、入院してくる未熟児を実験群とコントロール群に交互に無作為に割り付けた。  本研究の概念枠組みについては、Mayerroffの提唱するケアの本質を看護の哲学的根拠とした。ケアするとは、他者の成長発達を促進し、自己実現を助長することである。未熟児ケアの目標は、未熟児に対しては生命力を最大限に発揮させ、成長発達を促進すること、そして母親と子供を1つのunityとした、セルフケアの実現を可能にすることである。  研究者が今回の研究のために用いた概念モデルは、Gesellの成熟説、Eriksonの発達理論、そして、Maslowのニード論が基盤となっている。母親と看護婦(士)との相互作用過程にはkingの目標達成理論を用いた。  文献の検討は、5つのセクションにまとめた。Ⅰ.未熟児の新生児期のrisk factor、Ⅱ.人間社会における母子関係、Ⅲ.触覚刺激の必要性、Ⅳ.Maternal careを剥奪された乳児の研究、Ⅴ.極小未熟児に対する刺激の研究である。  本研究に入る前に、研究デザインの欠点を知り、さらに洗練するためにPilotStudyを発達検査と質問紙をについて行なった。発達検査は、Gesellの成熟評価表を用いて未熟児の生態に接近する事の意味と、その限界について確認するために行なった。その結果、胎齢37週以降の未熟児にもすでに環境と社会的相互作用が始まっており、その発達をみるためにはBrazelton行動評価を併用することが必要となった。  次に自己実現尺度Personal Orientation Inventory(POI)の信頼性を確認し、尺度化するために、女性111人を対象として質問紙を実施した。得られた回答をもとにして多変量解析した結果8つの因子(Self Regard:自己肯定/Time Competent:時間志向性/Spontaneity:自発性Acceptance of Agression:攻撃性の受容/Self Acceptance:自己受容/Capacity for Intimate Contact:人間関係形成能力/Value:価値観/Feeling Reactivity:感受性)について尺度構成した。  本研究における結果の分析は、現象学的に記述した未熟児の行動を内容分析的に分類することと、コンピューターによる統計学的分析によって行なわれた。未熟児の行動観察では、胎齢32-33週の未熟児にまどろんでいる時に自発的微笑がみられた。また、胎齢36週前後の未熟児がTOUCHINGによって微笑が誘発されたり、聴覚刺激に注意を向けたり、注視することがわかった。有効標本数が少なかった点に問題は残るが、これらの刺激によって出現した反応には有意差があった。  また、成長発達の8つの評価項目{生下時体重・経口開始からコット移行までの1日あたりの体重増加量/kg・コット移行日齢・退院時日齢・退院日と分娩予定日との差・退院時体重・ブラゼルトンスコア・ブラゼルトン行動発達評価検査日(原則として退院当日)の胎齢}の中で退院日と分娩予定日との差・ブラゼルトンスコア・ブラゼルトン行動発達評価検査日の胎齢の3項目に有意にTOUCHINGの効果がみられた。そしてまた呼吸管理とTOUCHINGの2要因の影響についての二元配置分散分析の結果では、ブラゼルトンスコアはTOUCHINGの主効果を受けて、実験群の方が有意に高かった。ブラゼルトンスコア及び検査日の胎齢に影響する変数について重回帰分析・数量化理論Ⅰ類による分析を行なった。その結果、ブラゼルトンスコアの予測に関与している処理的要因をあげれば、呼吸管理の有無とTOUCHINGをあげることができるが、呼吸管理の適応には対象児の全身状態が影響しているので在胎週数と出生時体重に起因するところが大きいと考えられた。TOUCHINGは外生変数としてブラゼルトンスコアに関与していた。退院日については、対象児の在胎週数・出生時体重からの予測が比較的容易であり、ブラゼルトン行動評価は退院日のめやすにもなり得るということがわかった。  一方、母親の自己実現度は、質問紙POIについて回答が得られた有効標本数38例(実験群19例、コントロール群19例)のデータをもとに統計分析を行なった。 未熟児にTOUCHINGをしている看護婦(士)が、面会時間を通して、母親に児の成長発達のきざしを伝え、児の退院時における母親の自己実現度を測定しようとした。 その結果、母親のPOIスコアに、TOUCHINGの有無はわずかな関与があったが、有意な差ではなかった。一方、ブラゼルトンスコアで評価された児の成長発達は、母親の自己実現度にかなり影響していた。TOUCHINGはブラゼルトンスコアや、退院日と関連があったことから、児の成熟が速いことや発達が良いことを通して、関接的に母親の自己実現に関与していたと言える。しかし、母親の身体・心理社会的ニードを分析するためには、多くの変数間の影響について制御し、多次元的な尺度が必要であることがわかった。  以上の研究過程から、本研究により導かれた結論は次の通りであった。  看護婦(士)が定時的に継続してTOUCHINGすることは、未熟児の成長発達を促進すると言える。そしてまた未熟児にTOUCHINGしている看護婦(士)が児の成長発達のきざしを情報として母親に伝えることは、母親の自己実現に関与しているが、助長しているとは言えないということであった。
Official announcement place: 土取洋子. 未熟児に対する"Touching"の影響. 岡山県立大学保健福祉学部紀要. 2(1):39-49.(1995)
Description: 聖路加看護大学大学院看護学研究科修士論文
URI: http://hdl.handle.net/10285/1098
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