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Please use this identifier to cite or link to this item: http://hdl.handle.net/10285/1095

NII Resource type: Thesis or Dissertation
Title: ICUで人工呼吸器から離脱する過程における患者のWork(しごと)の意味
Other Titles: The Meaning of Patient's Work During Wearing from a Mechanical Ventilation in Intensive Care Unit.
Authors: 竹嶋, 千晴
Author-transcription: タケシマ, チハル
Advisor: 小松, 浩子
Keywords: ICU
人工呼吸器
work
患者のしごと
Issue Date: 2003
Abstract:  近年の医療の進歩や、呼吸器ケアに関する様々な取り組みは、挿管期間の短縮や合併症の低下など、多くの成果を生んでいる。しかし、その一方で、患者の高齢化、重症症例の救命や慢性呼吸器疾患の患者などの増加により、人工呼吸器からの離脱が難しいケースもまた増えている。そのため、ICUにおける呼吸器管理は複雑化してきているともいえ、このような患者に対するスムーズな離脱が大きな課題であると共に、その中での心身両面からの看護ケアの重要性が言われている。特に、近年の鎮静方法の変化や、呼吸理学療法の視点から見ても、患者の精神的な安定、落ち着いた対応や取り組みは、早い離脱や回復を促進するものと考えられる。しかし、今までの研究では、そのストレスの強さに焦点が当てられ、こうした患者の主体的な取り組みは注目されず、あまり明確にされてこなかった。そこで本研究では、ICUで人工呼吸器を離脱する過程において、患者の行っているWork(しごと)に焦点を当て体験を記述し、その意味を体験者の視点から明らかにする事を目的とした。  研究方法としては、患者のWork(仕事)は、ICUで人工呼吸器を装着するという特殊な環境および状況下で行われ、その場でしか体験できない文化的な意味が付与されると考え、帰納法的手法による質的記述的デザインであるエスノグラフィーの方法論を参考に行った。本研究の情報提供者は、ICUで人工呼吸器を2日以上装着し離脱した体験を持つ6名で、データ収集は、ICU退室語可能な限り早い時期に非構成的な面接で行った。6名の情報提供者から、ICUで人工呼吸器を離脱する過程におけるそれぞれの体験を記述・解釈し、類型化を行った。その結果、【自分と現実をつなぐ】【自分自身の反応をコントロールする】【拠り所を見出す】の3つに類型化された。  【自分と現実をつなぐ】とは、「自分の感覚・意識を現実につなぎとめる「自分の存在を現実につなぎとめる」「危険な刺激を察知する」という意味が含まれ、感覚を研ぎ澄まし自分の置かれた状況を把握しようとするもので、自分を確かなものに保ち、状況に応じて正しく反応させる事で、自分の安全を守り、存在・生命を維持させていくという意味があった。【自分自身の反応をコントロールする】とは、「自分の呼吸や行動を合わせる」「自分の活動を抑える」という意味が含まれ、自分ひとりでは対処できない状況の中で、自分を助けるものを受け入れてそれに自分の反応を合わせたり、また自分のマイナスに働く活動を抑えるようにしたりすることであった。そうする事で、情報提供者らは、効率的に苦痛から自分を解放させようとしていた。【拠り所を見出す】とは、「自分なりの目安や期待を持つ」「自分自身や医療者を信じる」という意味が含まれ、しつこく繰り返しあり、自分からは逃れようのない苦痛の中で、不安や恐怖を遠ざけ、耐える力を保つという意味があった。  以上のことから、ICUで人工呼吸器から離脱の過程にある患者のWork(しごと)は、統合した個人としての本来の木野を保とうとしたり、状況に応じて自分自身の反応をコントロールしたり、耐える自分を保ち続けたりすることによって、その厳しい状況から自分を守ったり、苦痛から開放したり、自分が治療や処理に取り組む原動力を生み出すものであると考察された。  また、以下に示す看護への示唆が得られた。第一に、患者の行っているWork(しごと)に気づき、その意味を理解することにより、患者の持つ力に注目し、それを支援するといった観点から、新たな看護支援の手がかりが得られると考えられた。第二に、患者の置かれる環境を、患者の視点で敏感に捉え、調整していく役割があると考えられた。第三に、効率的なWork(しごと)を支援するために、患者の反応とその意味をタイムリーにつかむことが必要であると考えられた。第四に、患者らは、自分の存在やその価値を医療者の態度を通して確認し、その中から様々な力を得ていくと考えられ、この時期に看護者が、患者に関心を示し、安心感を与え、人格を大切にした働きかけを行っていくように勤めることが重要であると考えられた。  今後、情報提供者の人数、疾患などの範囲を広げる事により、さらにICUで人工呼吸器から離脱する患者のWork(しごと)の意味を深めることが課題であると考える。
Description: 聖路加看護大学大学院看護学研究科修士論文
URI: http://hdl.handle.net/10285/1095
Appears in Collections:2-1-b:修士論文(要旨あり)

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