DSpace
   聖路加国際大学図書館 聖路加国際大学   

SLIU Repository >
c.聖路加看護大学大学院看護学研究科学位論文 >
2-1:修士論文 >
2-1-b:修士論文(要旨あり) >

Please use this identifier to cite or link to this item: http://hdl.handle.net/10285/1083

NII Resource type: Thesis or Dissertation
Title: 闘病記にみる病いを物語るきっかけ
Authors: 和田, 恵美子
Author-transcription: ワダ, エミコ
Advisor: 小澤, 道子
Keywords: narrative
闘病記
病い
自伝的記憶
ケア
Issue Date: 2001
Abstract:  人は,何をきっかけに病いを物語るようになるのか,看護者もそのきっかけのひとつになることがあるのではないかという問いが,本研究の出発点である。  研究目的は公に出版された闘病記に表現された病いを物語るきっかけに焦点をあて,そのきっかけの状況やきっかけに関与する要因などを明らかにすることである。  研究対象となる闘病記は,都内S看護大学図書館の闘病記226冊から選出した1970年以降に出版された56冊である。研究の方法は,闘病記の文中から書くきっかけに関する内容を抽出し(文脈カード),5WIH(【いつ】,【誰が】,【どこで】,【何を】,【なぜ】,【どのように】)の観点で分析し,その内容の類型化である。具体的な研究方法は案出しながら進めた。  結果と考察  1.闘病記を書くきっかけをとりまく状況:闘病記著者は,性別,年齢,職業,病いの種類,書く年齢から出版までの期間は様々であり,闘病記の出版は1980年以降増加がみられワープロの普及など時代背景が関与していた。書くきっかけの「時」は暦と病いに関するリアリティのある一回性の「時」であり,書くきっかけの「人」は家族,友人,同僚,仕事の先輩,恩師,医療関係職などで特定な「人」であり,書くきっかけの「場」は病院,自宅など生活している「場」であった。  2.闘病記を書くきっかけの【何を】,【なぜ】,【どのように】を統合して検討した内容は16カテゴリーに分かれた。カテゴリー間の関係性は 1)きっかけの働きかけの直接性か間接性かでみると,《本人に働きかける「人」の存在》,《ワープロという「物」の存在》,《告知や取材,講演など「事象」の存在》の直接的の3つと,《自分自身をみつめること》,《看護婦・医師や記者など職業人のプロとして》,《死の意識に向けられたこと》,《残したい「人」の存在》,《生きた証・存在の意味として》,《世に訴えたいこと・問いたいこと》,《同病者に向けられたこと》,《神・皇室に向けられたこと》,《日課や生活リズムとしての書くこと》,《救いや癒しとしての気持ちの表現》,《手段としての気持ちの表現》,《自分の主体性を感じさせること》,《生きがいやつながりとしての社会参加》の間接的の13に分けられた。 2)著者にとっての心理的・物理的な距離からカテゴリーを検討すると,著者に最も近い円は《自分自身をみつめること》,《看護婦・医師や記者など職業人のプロとして》,《死の意識に向けられたこと》,《残したい「人」の存在》,《生きた証・存在の意味として》,《ワープロという「物」の存在》,《告知や取材,講演など「事象」の存在》,《日課や生活リズムとしての書くこと》,《救いや癒しとしての気持ちの表現》,《手段としての気持ちの表現),《自分の主体性を感じさせること》,1番目の円は《本人に働きかける「人」の存在》,《同病者に向けられたこと》,2番目の円は《世に訴えたいこと・問いたいこと》,《生きがいやつながりとしての社会参加》,外側の円は《神・皇室に向けられたこと》を含め,多様,重層,複合的に存在するきっかけと,生活している著者のありようが示された。  3.56闘病記のテーマ(主題):著者がきっかけを受けとめるあるいは本人にとって基底をなす生き方やその意味,価値,思想,信条,思い,考えなどが存在することが推察された。それはボランティア(S-01),神(S-02),子供(S-03)などで,類似する表現が著者には異なる意味をもつ56通り固有のテーマ(主題)が示唆された。  4.闘病記にみる病いを物語るきっかけと病いを物語るケア:闘病記にみる病いを物語るきっかけの様相は1)きっかけの状況として,一回性の「時」,特定である「人」,生活の「場」という「今・ここ」のありよう,2)きっかけの要因として多様,重層,複合的なきっかけをもって生活する対象者のありよう,3)1人の人間の基底をなす何ものか,即ち個人の生き方やその意味,価値,思想,信条,考え,思いなどのテーマ(主題)の存在という3つであり,人と人とが出会うその接点のありようでもあった。これは見えにくく形としてつかみにくいが,その中で鉛筆を渡す,姿勢を整えるなどの何気ないケアが闘病記を書くきっかけになっていたことも示され,これら3つの視点や枠組みを意識化しつつケアにあたることと,対象者へのよりよいケアを志向する実践という活動が「病いを物語るケア」として推察できた。  今後は本研究と出版のきっかけとの関連性,看護ケア場面での病いを物語る対象者と看護者の様相,語られたことに焦点を当てることが蘇られないことをも知る1方法として成立するか否かを追究課題としたい。
Description: 聖路加看護大学大学院看護学研究科修士論文
URI: http://hdl.handle.net/10285/1083
Appears in Collections:2-1-b:修士論文(要旨あり)

Files in This Item:

There are no files associated with this item.

Items in DSpace are protected by copyright, with all rights reserved, unless otherwise indicated.

 

Valid XHTML 1.0! DSpace Software Copyright © 2002-2010  Duraspace - Feedback